緊張しない脳を作る考え方とたった1人で出来るトレーニング。「私!」という強烈な自己意識を捨てる。

私の知人によく緊張してしまうという人がいます。人はなぜ、緊張してしまうのでしょうか。

緊張の背後にある恐れ

緊張という現象の背景には恐れがあります。「人前で間違ったことを言って信用を落としたらどうしよう」とか、「変なことを言って恥ずかしい思いをしたら、どうしよう」とか、「しっかり話せないと『出来る自分』という自己イメージが崩れてしまう」とか、「ダメな人だと思われないかな」とか。そしてその恐れの背景には強烈な自己意識が潜んでいます。

「私!」という強烈な自己意識

「私!」という意識が強いせいで、上に記載したような恐れが生まれています。もし「私!」という意識が薄まれば、ちょっとした間違いで少々信用を落とそうと、人に笑われようと、間違いを指摘されようと大して気になりません。「私!」という意識が強ければ強い程、周囲からの目線と自分が自分自身に向ける目線の間に落差が生まれてしまいます。多くの場合、自分で思っている程他人は自分のことを気にしていません。

ABC理論 – 緊張管理の方法

ABC理論とは

心理学の勉強をされたことのある方であればご存知かもしれませんが、アルバート・エリスという心理学者がABC理論という緊張管理の方法論を提唱しています。まず、Activating Event(ある出来事のこととです)があります。このActivating Eventというのは常に中立です。例えば「人前で話す機会が発生した」とか、「上司に怒られた」とか、「友達とケンカをした」とか。その出来事自体には良いも悪いも、楽しいも悲しいもありません。ただの出来事です。

そしてその出来事に対し、その出来事を認識した人間の脳がBelief(信念)に従って良い悪いといった価値判断をします。「人前で話す機会が発生」というActivating Eventに出会ったら、例えばある人は「それは良いことである」という価値判断をします。そしてそのConsequence(結果)として楽しみだ、とか嬉しい、といったような感情が生まれるのです。反対に「人前で話すことは間違いを指摘される危ないことだ」というBeliefを持っている人は、人前で話す機会が発生したら不安や恐れといった感情が生まれることでしょう。このように、同じ出来事でもその人が持つ信念体系によって生まれる感情が異なるということをエリスは言いました。

ただの現象でしかないActivating Event

ここで大事なのはActivating Eventは常に中立であるということです。この世で起きることは全てただの現象でしかありません。その現象に対して人間の脳が良いとか悪いといった判断を下し、その結果としてある種の感情が生まれているのです。

Beliefを変える

そしてその結果として生まれてくる感情を変えるには、Activating Eventではなく我々の脳の側(Belief)を変える必要があるということです。今の脳であれば100の現象と出会った時に70の恐れや不安といったネガティブな感情に思い悩まされるかもしれませんが、世界に対する認識を変えること(脳を変容させること)によってその70を0に減らすことができるかもしれません。

どのようにしてBeliefを変えるか

ではどう変えるのか?と言いうと、まずは自分がどのようなBeliefを持っているかに気づくことから、と言えるでしょう。気づいたら、それを手放します。通常人間は「考えは人それぞれだからね」と言いながらも自分の持つBeliefが絶対に正しいと思い込み、それに執着しています。その執着の度合いが強ければ強い程手放すのは困難かもしれません。また執着の度合いに応じて、あるActivating Eventが発生した時に生まれる感情も強烈なものとなります。

多くの人は今の自分が持つBeliefに適した出来事だけに出会って生きることが幸せであると思っているようですが、なかなかそうはいきません。残りの人生で、今のあなたの脳が「嫌だ」と反応するような出来事は絶対に発生しないと言い切れますか?

いえ、まったく悲観することはありません。気づいて、手放すだけでいいのです。ある感情が生まれた時にその背景にどんな考えがあるのかに気づき、その考えを手放すだけでいいのです。

Beliefを変える手段の1つ – 瞑想

最後に、執着が強い人へ。ある特定の考えに対する執着が強い人は、様々な状況で何度も何度もその考えが頭に浮かんでくることでしょう。浮かんだら気づき受け流す、浮かんだら気づき受け流す、をひたすら繰り返してみてください。そのプロセスの1つとして瞑想があります。興味のある方はこちらの記事もどうぞ。